2012年11月20日火曜日

オーロラ発生のしくみ(オーロラ発電所) - Live!オーロラ

第六章・オーロラ発生のしくみ (オーロラのしくみ)

6-4 オーロラ発電所


太陽風中の荷電粒子が、地球の磁場内に進入しました。
 ここから、荷電粒子中の電子がなんらかの影響にて、地球の磁力線に沿って、地球上空に降り注ぎます。 



オーロラ発電に関係する磁力線のみ描いています

~ 磁力線に沿って電子が落ちてくる「オーロラオーバル形成」 ~
 上のアニメーションを見てください。「北から見た動き」を見ると磁力線は、夕方側と明け方側双方で、電子を含む荷電粒子を抱えながら回転運動をしています。
 そして、その磁力線が地球と接する部分を表すと、下の図のように「オーロラオーバル」を形成していることがわかります。

 太陽風に含まれる電子は、この磁力線に沿って運動します。そして”パラパラ”と地球大気に降り注ぎオーロラを発生させます。

オーロラオーバルと磁力線


~ 地球磁場(荷電粒子)の回転運動が起こす発電 ~

 私たちが地上、しかも肉眼で見るオーロラは、ある程度明るいものでなければなりません。 
 肉眼で見て、「おぉ明るいオーロラだ~」と感じるようなオーロラは、これから説明する「オーロラ発電」が引き起こすものです。 
(オーロラブレークアップと呼ばれる、さらに明るいオーロラは、もっと複雑なしくみで発生します) 





 上のアニメーションでは、太陽風の影響を受けて運動する地球の磁場の様子を、北から見たフレームをあわせて表現しています。
 これを見ると、地球の磁力線は、前にも説明しましたが水色の線で表しされた軌跡のように、回転運動をすることがわかります。



北から見た磁場内の電位差
 太陽風に含まれた(プラス・マイナスの電荷をもった)荷電粒子は、磁力線と同じ軌跡で運動するため、 学校の理科や物理の授業でおなじみの、”フレミングの左手の法則”より、右の図のように、北から地球を見ると、明け方側に、プラスの電荷をもった粒子が、 そして、夕方側には、マイナスの電荷をもった粒子がたまることになります。





【オーロラ回路完成→放電】 
(電子が流れる向きは、電流の向きと逆方向)
 太陽風がさらに地球へ吹きつづけると、明け方側と夕方側のプラス・マイナスの差(電位差)が大きくなり、 発電の準備が完了します。

 夕方側と明け方側の電位差(でんいさ)、そして磁力線と地球を結ぶ回路が完成した段階で、電子は夕方側から磁力線に沿って、地球に向かいます。 
(電子が流れる向きは、電流の向きと逆方向)

 そして地球大気中の酸素原子や窒素分子と衝突→励起(れいき)→発光でオーロラが発生するのです。 

 この発電では、上で説明した”パラパラ”と降り注ぐ電子よりはるかに高速で、かつ、大量の電子が地球大気へ向かいます。
 よって、明るいオーロラが生まれます。





 またまた、あれ?と思った方がいるかもしれません。(私は、科学者の方から説明を受けて、あれ?と思いました)
 夕方側から地球へ電子が向かい、大気と衝突→発光が起きる。そして電子は明け方側へ向かい、磁力線に沿って、今度は、宇宙へ流れるのかな・・? 
(オーロラオーバルの夕方側では、地球大気に流れてきた電子がオーロラを発光させる。そして明け方がわでは、地球大気から宇宙方面へ飛び出す電子がオーロラを発光させ るの・・?) 

 答えは”NO"でした。
 磁力線に沿って地球に降り注ぎ、大気粒子と衝突した電子は、衝突によりエネルギーを消耗してしまい、次に大気粒子と衝突しても、発光を起こすことは、 あまりないのです。
 このオーロラ発電では、オーロラオーバルの中で”夕方側”のみでオーロラを発生させます。